立ち上がりの注意点を教えて下さい。

家で父を介護しています。いすの高さを調節して自分で座れるようになりました。 しかし、いざ立ち上がるときは、転倒の危険性も考えられますし、骨の強度のこともあるので心配です。立ち上がれるかどうかを見分ける方法を教えてください。また、ベッドの高さや手すりの位置については、今のままでいいのでしょうか?

ベッドの高さと手すりの位置

立ち上がれるかどうかを見分ける方法から入りましょう。上を向いて寝ているお年寄りの両ひざを腫がお尻につくくらいまで立ててもらってください。片方がマヒしている場合はマヒのないほうの足だけでかまいません。

そして、「お尻を上げてください」と言ってください。お尻がすっと上がる人は立てるはずです。 やっと上がるという場合はちょっと難しいでしょう。でも、パーキンソン病やパーキンソン症候群の人は、やっと上がる人でもほとんどは立てますから、そこを見逃さないでください。

パーキンソンの人は、こうした関節を伸ばすという動作は大変苦手なのですが、立ったり歩いたりという動作はできることが多いのです。 この動作はオムツ交換のときによくやっています。つまり、お尻がすっと上がる人は、トイレに移動して座れるわけですから、オムツは必要ないのです。 もう一つ大切なのは、手すりの位置です。

手すりは足と同じ位置の斜め上につけることが多いのですが、これはすごく力を必要とする位置です。力のない人が立ち上がるためには、もっと低く遠くでなければなりません。 まず、ベッドに座っているお年寄りのおへその高さくらいに手すりを設定してください。そして、かなり前方に遠ざけていただきたいと思います。

お年寄りが手を伸ばして手すりを持つと頭の中心部分が足より前に出るくらい遠くにします。 いくらなんでも遠すぎるので、お年寄りはもっと近くにしてくれというかもしれませんし、前かがみになるのを怖がるかもしれません。

でも、お尻が重いですから前に倒れることはありません。前傾姿勢をとるだけで、もうお尻は浮こうとしているので、ほとんど力がいりません。腰を軽く持って介助してあげてください。寝たきり老人といわれていても、立てる人が大勢いることが分かると思います。