夜、小用で何度も起こされます。

同居している祖父は、脳卒中で片方の手足がマヒしています。昼は杖を使って一人でトイレに行っており、夜はしびんを使っています。最近では夜のおしっこの回数が多くなり、先日など母は夜中に5回も起こされ、とても疲れているようです。オムツにするのはかわいそうなので、いい方法があれば教えてください?

熟睡できるような生活づくりを

3年ほど前に同じような悩みをかかえる家庭を訪問したことがあります。この家では本人の奥さんが夜に何度も起こされて疲れきっていました。

私と役場の保健師さんで、なんとか本人が一人で尿器を使えないかと、いろいろな工夫を試みました。昼間はなんとか失敗せずにできるのですが、夜は少し寝ぼけているせいか、うまくおしっこが採れなかったり、せっかく採ってもこぼしてしまったりしていました。

そして、やはりオムツを使わなければならないかなと、あきらめていたある日、私はこのお年寄りと車いすで散歩に出かけることになりました。奥さんは「大丈夫でしょうか?」と心配そうでしたが、風邪をひかないように厚着をして、何年かぶりに外出したのです。本人が見たがっていた畑をながめ、近所の人とおしゃべりをしていると、あっというまに一時間もたっていました。 次の週に訪ねてみると、奥さんは「散歩、散歩」と言いながら車いすを運んできました。

前回はあんなに心配そうだったのに、大きな変わりようです。 聞けば、散歩に出かけた日の夜は、奥さんを一度も起こさず眠り、朝までおしっこの心配もなかったそうです。なるほど、おしっこがしたくて目が覚めるのではなく、よく眠れなくて目が覚めてしまい、おしっこがしたくなるんですね。

だから昼間散歩をして適度に疲れると、熟睡して朝までぐっすり、というわけです。 おじいさんは昼間どうやって過ごしていますか。ベッドで寝ている時間が多いようだと、夜寝れないのも当然ですよね。

孫のあなたも協力して、熟睡につながる心地よい疲れを感じるような生活をつくってあげてください。オムツはいつでも使えます。 その前にこうした方法を試してみてはいかがでしょうか。