母のケアで妻に負担をかけています

一人暮らしをしていた母が脳卒中で倒れたので、わが家で引き取ることになりました。寝たきりではないものの、歩くにもお風呂に入るにも、手助けが必要です。私は仕事があるので、実際のケアは妻がすることになります。「介護を女性に押しつけるのは差別だ」とか「男も介護を」と言われて、罪悪感のようなものを感じています。

男性もケアに関心をもちましょう

いまだに新聞記事では「老人介護が女性に負担を強いている」という主張が多いですね。でも、別に女性を差別しようとして、そうなっているわけではないんです。 親を在宅で介護しようと思い立ったとき、進歩派ぶって男性が仕事としてケアに専念していたら、ほとんどの家庭は経済的に破綻してしまうでしょう。

だから、共働きの家族において、どちらかが仕事をやめなければならないときは、女性がやめることが多いというわけです。 つまり、女性が介護すべきだという発想があるわけではなく、もっと現実的な理由で女性がケアしていることが多いのだと思います。

もちろん、その背後にある女性のほうが賃金が低いという現実まで追求していけば、女性差別といえるでしょうが、それは今すぐ解決できる問題ではありません。

あなたにとって大切なことは、フェミニズムの活動をすることでも、自分が仕事をやめて介護に専念することでもありません。 まず、お母さんのケアに関心をもってあげてください。介護をしている多くの女性、特にお嫁さんたちの苛立ちは、ケアそのものに対する苦労よりも、周りの人が自分のやっていることに興味も関心ももってくれないことにあるのです。

その大変さを理解されずに孤独に介護を続けるのはつらいことです。 次に、日常のケアは奥さんがやるのですから、休日にお母さんをドライブに連れて行ったり、一泊旅行に行ったりする役割は、男性が分担すべきでしょう。

休日のゴルフはなるべく少なめにしましょう。 さらに、いちばん大事なのは、奥さんのケアです。いい介護が続いている家庭は、例外なく夫婦仲がいいものです。ぜひ奥さんを気遣ってあげてください。