父に食欲を取り戻してもらいたい。。。
父が昨年の夏に体調を崩して入院し、年末に退院しました。もともと、やっと歩ける状態でしたが、退院してから寝たきりです。このごろはめっきり食欲が落ち、おむすびにしたり、おかゆにしたり、いろいろ工夫していますが、ほんの少ししか食べてくれません。どうしたらよいでしょうか?
チューブを入れたりする前に
食欲がなくなったり食事量が減ったというと、すぐに点滴したり、鼻からチューブを入れて胃に直接栄養を送り込んだりする病院が多くあります。食べることと生命維持とは直結していますから、食べないとなると「生命の危機」を感じてしまって、こうした特殊で専門的な方法に頼ろうとしてしまうでしょう。
でも、ちょっと待ってください。お年寄りの食欲低下の原因はいったい何なのでしょう。私たちの経験では、その原因の大半は「おなかがすいていない」という単純なことに尽きるのです。一日中、ベット上で寝ているだけの生活をくり返しいれば、なおさらです。
朝、目覚めたら朝食、テレビを見ながらウトウトしていたら昼食、昼寝から目覚めたら夕食という状況では、食欲がおきないのも当然でしょう。
私たちが一日三食を必ず食べているのは、昼間に遊んだり働いたりして、身体を動かしているからなのです。
しかし、お父さんに私たちと同じような生活を続けることはできないでしょう。年相応の生活リズムがあるはずなのです。
また一度も退院後に外出したことはないようですと、雨でも降っていないなら、車いすでどこかに出かけてみましょう。人間は座っていればウトウトしたりしないものです。しかも、外に出れば、周囲の景色に目を奪われたり、誰かが話しかけてくれたりします。さまざまな刺激もあるので、楽しいでしょう。
家に帰って「やれやれ」なんて言葉の出るくらい、心地よい疲れを感じるような一日をつくってみてください。そこにお父さんの好物があれば、食欲が出ないはずはないと思いますよ。