【親が亡くなる前】にやっておきたいこと②

保険金の使いみちと受取人を確認しておく

親の死後に起こる余計なトラブルは多くあります。受取人が指定されている死亡保険は、受取人固有の財産になります。ですから、保険金の受取人が、葬儀費用やお布施、お墓の費用などに使う義務はありません。

そうは言っても、親が葬儀費用などの支払いにあてるつもりで保険に加入しており、たまたまその人が遺族代表の受取人の場合には話が違ってきます。

銀行口座の凍結は、金融機関が預貯金者の死亡を知った時にされますが、それがいつになるか?は分かりません。相続人が遺産分割前に預貯金を仮払いしてもらえる制度があっても、相続人であると立証する戸籍謄本が必要になりますから、準備に時間がかかります。

葬儀費用の支払いなどに困らないように保険加入しているのなら、受取人固有の財産とはいえ、葬儀費用の支払いに充てるべきでしょう。

保険加入の目的に受取人にしてもらう

家族の間で起こる余計なトラブルを避けるために、親が元気なうちに、保険金の利用目的と受取人が誰なのかを聞き、家族全員が納得することが大切です。たとえば親から、「葬儀費用として使ってほしいから保険に加入した、受取人は長男にしてある」という説明が家族全員にあれば、目的がはっきりします。また、「なぜ一人だけ保険金がもらえるのか?納得いかはい」という不満も解消できます。

もし受取人が複数になっている場合は、保険金請求手続きが大変になるため、できれば、誰か一人になるよう変更してもらうほうが、保険金受取はスムーズです。親が保険に加入できるのなら、受取人ごと契約してもらうのも方法です。

保険金の受取人変更は、契約者本人しかできません。しかも本人が認知症などにより判断能力が低下してしまうと変更できなくなります。親が、生命保険に加入している場合、健康なうちにその目的と受取人を確認しておき、見直してもらうことが必要です。