退院後に気をつけることはありますか?

同居している、義父がいます。4ヶ月前に脳卒中で倒れました。最初は片方の手足が動かず、寝たきりの状態でしたが、リハビリの成果で杖を使って歩けるようになりました。医師からは「日常生活に支障はないでしょう」と言われましたが、退院したら家族として、どんなことに気をつけていけばいいのでしょうか?

新しい生活をいっしょにつくろう

新しい生活をいっしょにつくろう 退院が決まってよかったですね。リハビリも受けられて、回復も順調で退院に至ったのは、不幸中のさいわいと言っていいでしょう。 4ヶ月ぶりに家に帰ることができ、お義父さんも心からホッとしていることでしょう。でも、ご本人にとってもご家族にとっても、これからが根気が試される時期です。

病院で訓練した動作を家の中や屋外でどう実践するかが問われています。

私たちの身体は、右半身と左半身の動き方はほぼ同じで、右手と左手の感覚が違う、なんてことはありませんね。

ところが、お義父さんのように脳卒中で片マヒが残ると、動き方も同じではなくなってしまいます。 そうなると、これまで70年以上も当たり前だと思ってやってきた何気ない動きも、一つひとつ確かめなくてはなりません。非対称になってしまった身体でバランスを身につけていかなければならないのです。 お風呂の出入り、床からの立ち上がり、階段の昇り降りなど、無数の生活動作を完全にマスターするのは、退院してからの在宅生活の中にあるのです。

ご家族の方にとっていちばん大切なのは、こうした新しい生活をつくり上げていく過程に、じっくり付き合っていただくことです。 とはいえ、いくら家族とはいえ、なかなか本人の気持ちを分かってあげられないものです。ついイライラしてしまうこともあるでしょう。でも、本人はもっとイライラしているのだということを理解しておいてください。

同じような手足のマヒをかかえた人ならお互いに気持ちが通じ合うでしょう。ディサービスやディケアに参加しましょう。「脳卒中友の会」も各地にあります。ぜひそちらにも参加してみてください。