認知症の症状のせいだとわかっていても?!

同じことをしつこく聞かれたり、同じ話を何度もされたりする程度であれば、対応できるかもしれません。家族を困らせるのは、ひどい妄想から泥棒呼ばわりされたり、曖昧な返事をしただけで暴言を吐かれたり、介助に強い拒否反応があって暴力を振るわれたりなどのBPSD(行動・心理症状)です。

特にお金にまつわるBPSDでは、修羅場になりかねないこともあります。通帳を頻繁になくすから預かると「あんたに盗られた」と毎日強い口調で責められてしまう。「そうじゃないでしょ」と否定した途端にキレられ、収拾がつかなくなることもあります。

悪者扱いされた家族はたまったものではありません。病気のせいだと分かっているからこそ、家族はつらいのですね。

そういうときは、認知症の主治医に相談して、介護者自身の悩みを打ち明けてください。専門医から対応方法を聞いて改善することもあります。

また、認知症家族会に参加して、思いを吐き出すことも必要です。似た経験をした人からのアドバイスがヒントになることもあります。

BPSDは千差万別です。我慢をしすぎずに、改善策の一つとして、施設介護の選択も検討しましょう。