生前整理のすすめ
想いや物語は死後だと伝わりにくい
長く親と離れて暮らしていると、親と一緒に片付けをしながら、思い出話をする機会はあまりありません。しかし、親が元気なうちに思い出話を聞きながら、一緒に家の片付けをすることで、両者にとってメリットがあります。
子供にとっては、親の思い出の品物やそれに付随する思い出話を知ることができ、大切なものの保管場所もわかります。
親自身は、普段離れて暮らしている子どもと話をしたり、一緒に作業をしたり食事をしたりすることがうれしいいものです。
子供が行う生前整理は親孝行であり、将来の自分のためでもあります。もちろん親の家の片付けは親のためでもあるのですが、それ以上に親との関係を見直す機会になり、ひいては子どもの心の安定にもつながります。
親と片付けをするときに言わないほうがよい言葉
親が亡くなったあとに悔やまないためにも、今のうちに親と会話をし、コミュニケーションをとりながら親の家の片付けを一緒にしておくことをおすすめします。
しかしながら、子は親に対して、問答無用に強い言葉を使いがちです。(こんなもの必要ないでしょ?)(いつ使うの?)(取っておいてどうするのか?)(捨ててしまえば?)などです。
親が大切にとっておいたものは、何かしら思い出があることも。親自身は捨てることができなくとも、子どもや誰かにもらってもらうことで、(もったいない)という感情や、子どもの役に立てたと自負が生まれることもあります。
親から(これ、あなたにあげる)(家に持って帰って)と言われたときに、むげに断るのではなく、いったん引き取ってからこっそりと処分する気遣いが欲しいものです。
心と品物は連動しています。ものには、人生や思い出がたくさん詰まっています。その絆を断ちきるような言動はしないようにしましょう。